2010年08月09日

25-1 冒険(南川1◆96)【四国の川第1弾】

水位:観測所なし(※) 気温:25℃(木頭) 天気:曇り 区間:美那川キャンプ村〜那賀川出合(5.9km) 所要時間:約110分(待ち30分含む) メンバー:後輩1号&川太郎&川次郎(回送)
※0.98m(名古ノ瀬;坂州木頭川),1.32m(神野;海部川)
 坂州木頭川は同水系ですが左支川、海部川は水源が近しいですが別水系


 目の前には透明度抜群の清流が流れていました。ただ、それは昨日までの話で、今朝のそれは、やや濁りが入り、流れはさらに勢い強くなっています。キャンプ場の看板には、川の名前は「美那川」と書かれています。ただ、地図上は「南川」と記載されているので美那川とはおそらく美称なんでしょう。

 南川(美那川)は、西又山(標高1,360m)を水源とし、旧木頭村内において蛇行を繰り返しながら北東へ流れ、畦ヶ野にて那賀川右岸に注ぐ那賀川水系の一級河川です(幹川流路延長16km,流域面積70.2ku)。源流域には、落差約30mの名瀑天霧の滝があります。

 関東地方では梅雨明け以降大して雨が降っていなかったので、四国も渇水と思い込んでいましたが、昨日美那川キャンプ村の管理人さんに聞いたところ、平水と比べて淵では約30cm,川幅の広い浅瀬では15cmほど増えているらしい。週に一度の割合で、まとまった雨が降っていたようです。
 それが、昨晩から一晩中降り続いた雨のおかげでさらに10〜20cm増水してしまいました。明け方になってようやく降り止んだものの、ところどころ晴れ間が覗いていますが、全体的にはまだ薄曇りで覆われています。管理人さんの話だと、天気予報では9時頃からまた降り出すと言っていたらしい。

 この丹生谷の地に初めて訪れたのは6年前の2004年の夏でした。那賀川本川にチャレンジしましたが、えらく増水していて予定区間の半分程度を下ったところ(南川橋)であえなく中断。3年前の2007年にも再訪し、那賀川本川と美那川に挑戦しようとしましたが、大雨に見舞われこれまた断念したという経緯があります。三度目となる今日は今度こそ、という思いが人一倍強くあります。

 当初の計画では、那賀川本川とここ美那川の両方を下るつもりでしたが、食事やら移動やら後々のことを考えると時間的におそらく1本しか下れないと思っておいたほうが良いでしょう。どちらを選ぶべきか、考え込みました。

 ◆選択肢A:那賀川(北川〜ごろごうち橋)
 6年前にすでに下見済み。車道から川相が事前に確認しやすいし、外部と連絡が取りやすいので、安心感がある。何より、6年前のリベンジが果たせる。

 ◆選択肢B:美那川(美那川キャンプ村〜ごろごうち橋)
 大部分が車道から見えない位置にあって事前の下見ができない上、携帯電話が圏外で外界から完全に隔絶されている点でよりハイリスク。そして、新規開拓96本目としてカウントできる。

 一言でいえば、那賀川は「リベンジ」、美那川は「冒険」を選ぶことになります。「リベンジ」と「冒険」、さあ、どっちを取ろう?

 熟考の末、選択したのはBの美那川でした。

 冒険とは、文字通りに解釈すれば、危険を冒すことです。『ウランのページ♪』など、先人の情報がいくつか存在しているので、情報面でまったくの白紙で臨むというわけではありませんが、「レベル4 上級者」向けといわれるグレードの面から考えると、わんこ連れ単独行で臨むことはかなりの危険を伴うと認識すべきでしょう。

 では具体的に、危険(=リスク)には例えばどのようなものが想定されるでしょう。

 @ポーテージルートが存在しない巨大な堰や滝に出くわす。
 A沈してボートやパドルを流失してしまう。
 Bラナや私が続行不可能なほどのケガをしてしまう。

 エスケイプポイントが限定されている上、外部との連絡手段を絶たれているので、@のレベルであっても、既に「遭難」に近しい危険水域に達してしまっていると言えます。したがって、そうならないためのリスクヘッジを施しておく必要があります。

 @については地形図で堰や滝がないことを確認済み。現地の下見ができないので不安は残りますが、先人の情報から見ても、おそらく存在しないと言ってよいでしょう。
 AとBは、@ほどではなくともそうなる可能性の高い場所(リカバリーできる瀞場がない長い瀬、また流速の強い岩絡みの瀬)では不用意に突っ込まずにポーテージを選択する、もしくはチキンルートを選ぶ。怪しげな場所は事前に上陸して下見し、都度判断していくしか方法はなさそうです。

 ここで問題になるのがその判断の精度ですが、これは川の流れを読み、自らの技量を把握した上で、流水の中で自分のフネがどう動くか想像する力の程度にかかっています。つまるところ、根本的なリスクとは、能力不足に伴う判断ミス、すなわち流れの読み間違いや技量の認識違い(過信)にあると言えそうです。
 これくらいの流量(20〜30トン?)の川は数多く経験しているので、自分の動きをちゃんとイメージできるはずだとは思うのですが、アンタならできる、もしくはムリと判定してくれる客観的な評価指標が存在しない以上、リスクをゼロにすることは不可能です。

 結局、リスクは潰し切れるものではなく、知識と経験に基づく想像力(シミュレーション力)という非常にあやふやなモノを頼りにこの渓谷に飛び込まなければなりません。ものすごく危険なこととは分かっているけど、そうは体験できない楽しみを味わえるということも知っています。だから何年漕いでても飽きないんですね。

 そういや、事前対策としてもう一件案出してました。
 一度渓谷内に入ってしまうと基本的に途中上陸は不可なんですが、美那川キャンプ村から約1.6km下流にある日早橋に入川道を見つけていました。おそらくは唯一の上陸ポイントかと思われます。念のため、ここでいったん陸上の嫁さんと合流して安否確認を取り、継続の是非を決めることにしました。
 前半がクリアできたからといって後半もクリアできるという保証はまったくありませんが、前半でNGが出るようなら後半も間違いなくNGといえます。核心部とは往々にして車道から見えない場所に位置しているので、おそらく核心部は後半部に位置している可能性が高いと読んでいたためです。

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ニックネーム ラナ父 at 00:19| Comment(0) | 四国>南川(美那川) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする