2010年12月05日

43 寒中水泳(桂川5)

水位:1.15m(桂川強瀬) 1.67m(大月) 気温:13℃(大月) 天気:快晴
区間:舟場橋〜高月橋(約x.xkm) 所要時間:約2.5h メンバー:G君


 昨日に続き雲ひとつない晴天でした。雪化粧をまとった富士山が朝の陽射しを反射して眩しいくらいに輝いています。
 今週末は珍しく二日連続で川に出ることができておりますが、それは来週末まったく漕げないからです。奥さんが大学時代の友人と北海道旅行に出かけるのですが、その間の子守役を仰せつかったのであります。

 ところで最近、ついに封印を解いてしまいました。カヌー始めて15年間、決して頼るまいと思うておったんですが、一度使うともうやめられません。
 文明の利器、電動ポンプです。こいつのおかげでポンプアップに5分もかからなくなりました。人間の力ってすごいですわ。

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 今日は久しぶりにG君が一緒です。仕事の都合上、昼には上がりたいということで、8時半に高月橋に集合。水量次第ではハラキリから下流だけでもいいかなと思いつつ川を眺めると、思ったほど迫力を感じません。何だか少なめに見えました。今年1月の放水末期に花鳥と下った時くらいかな? これならフルコースでも行けんとちゃうかなと判断して、舟場橋からスタート。

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 10月以降、バタバタでなかなか機会に恵まれませんでしたが、ここにきてようやく念願叶いました。いやあ、うれしいなあ(^O^)
 舟場橋直下の瀬は2週間前に下った時より明らかに減水し、流れが随分と変わっていましたが、下るルートは前回と同じく左岸ベタベタの最も巻きの少ないところ。
 今日が増水アッパー初挑戦となるG君は慎重に私の後をトレースしてくるのですが、最初からコテンコテンひっくり返ってます。

 しかし、まさかSTARで出撃するとは思ってませんでした。

 「お前、ナメてるやろ?」

 「いやっ、EZGはフィッティングができてなくて…。こっち(STAR)のほうがいいかと…」

 てか、STARもフィッティングできてないんでは…。不安…。

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 さて、いよいよ渓谷部に突入。もう、後戻りはききません。入り口のヘアピンの瀬、そしてシュガードロップ。何だか、めちゃくちゃ巻いてます。もちろん、回避しました。
 ここらでちょっと違和感を覚えます。ひょっとして、水量多くないか…?

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 プレざむらいまで来て、疑惑は確信に変わりました。前回花鳥と下った時より確実に多い。それどころか、初めて下った時よりも多いかも…。
 下りたいという意識が強く働きすぎて、水量の見立てを誤ったのでしょうか。もしくは、高月橋を発ってから増水したのか…?

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 いずれにせよ、シャレにならん迫力です。ただし、増水したせいで右岸側もルートができています。こっちは比較的緩やかに落ちていて下りやすそうに見えますが、最後にカレントが右岸壁に直撃していて、それなりに難しそうです。
 この瀬で沈すると、身ひとつでサムライに斬られる可能性大。沈は絶対に避けたいところなので、フツーに下るより遥かにプレッシャーがかかります。



 ルートは思い描いたとおりでしたが、やっぱり岩壁にぶつかってしまいました。右手で押しのけたものの、完全に失速。岩壁をかわした後にもでかいウェーブホールが待ち構えていました。
 あ、ヤバい…。掴まって沈のパターンかと覚悟しましたが、水ブネになりながらもうまく抜けてくれました。

 続くG君も同じルートを辿ってきますが、瀬の入り口でブローチングしたのか、固まってます。ようやく流れ始めたその後もゴロゴロ転がりながら下ってきます。まるで「起き上がり小法師」のような…。
 瀬が終わった後も、私の横を過ぎて転がり落ちていきました。おい、大丈夫か…?

 勢いよく落ちていったG君ですが、ギリギリのところで踏みとどまれたようです。サムライ直前の左岸エディーにフネを停め、上陸。フネを乗り上げる岩が随分と小さくなっていました。水量次第では上陸できないかもしれませんね。

 つるつる滑る岩壁を攀じ登ると…。巨大なホールが口を開けてました。

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 初めて下ったときは右ルートから落ちましたが、もう少しコースの幅が広かったような気がします。今日のは、二段目のホールと右岸壁の隙間がフネ1艇分ギリギリしかありません。右岸に叩き付ける水勢も凄まじく、あまり近寄りたくないのですが、かといって壁から距離を取ると間違いなく二段目のホールに食われてしまいそうです。
 下る勇気はありませんでした。せめて下流に一人か二人、サポートがいないとダメです。



 G君はすでに心が折れかかっていて、下るという選択肢ははじめからなさそう。二人してポーテージに取りかかりました。かなり急峻で、さらに岩がつるつるに滑るのでかなり危ない。ヘタするとフネを流したり、身ひとつで左コースを泳ぐ羽目になるので、相当慎重に事を運ぶ必要があります。

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 ちなみに、もし身ひとつで落ちたら、どんな流れ方するんだろう…。ためしにライジャケ投入してみました。
 うーん、間違いなく心折れますな。



 スローロープとカラビナを駆使してポーテージは無事完了。いやー、無事乗り越えれて良かったねえなど話しておったのですが、
最後の最後、再エントリーの際に事件は起こりました。

 先述の通り、この一帯の岩盤はかなり滑ります。そして、表面に凹凸が少なく足場が限りなく少ない。慎重に足場を確保しつつ、川に下りようとしている際、フネがズルズルと勝手に滑り落ちてしまい、流されていってしまいました。振り返ってG君を見ると、まだすぐには出られない状態。逡巡しましたが、方法は他にありません。パドルを持って飛び込み、泳いで追いかけました。

 ここんとこ暖かい日が続くので忘れがちですが、現在12月です。川の水はものすごく冷たく、そして何より流速が強すぎてほとんど動きが取れません。人間の力など微々たるものにすぎないと思い知らされます。
 翻弄されながらも、徐々に距離が縮まってきました。あと少し…というところで、フネは急にスピードを上げて視界から消えてしまいました。瀬に入ったようです。アタマごと沈み込まされてフネを追いかけるどころではなくなりました。とにかく息をするのに必死です。
 気がつけば、フネは後方のグルグル渦巻いたエディーに入り込み、踊っていました。上陸しようと思いましたが、掴まるところがありません。サムライドロップ付近のスベスベの渓相、いわゆる「通らず」というやつがずっと続いているのです。フネに乗っているときは大して気になりませんでしたが、いざ泳ぐと止まりたいときに止まれないというのはかなり怖い。

 渓谷の終盤で、ようやく足のつく場所が見つかり、立ち上がることができました。それでも周辺に確保できる場所がないので、体勢を変えることすらできない危なっかしい状態です。
 あ〜、怖かった…。サムライはもう見えませんが、おそらく150〜200mくらい流されたでしょう。最近、ちょっと忘れかけてましたが、久々に流される恐怖を思い出しました。

 さて、しばらく待っていましたが、我が愛艇は相変わらずエディーに巻かれてたままのようで、まったく姿を見せようとしません。そのうちG君が下りてきて、右岸にエディーを取って待ってくれています。リンクスが踊っていると思われる左岸側はここからは死角になっていて、まったく様子を窺うことができません。
 待つしかない。一日千秋の思いでいると、G君もしびれを切らしたのか、アクションを起こしました。フェリーで左岸のエディーへイン。今までの安定感のなさを見ているのでハラハラしていましたが、無事、リンクスを掴んで下りてきました。しかし、カウテールを持っていないのか、バウで押し込みながら近付いてきますので、まだまだ安心できません。流速に負けて、私の許に届かず流される可能性もあります。もしそうなれば、また泳いで追いかけなあかんのかあ…と、げんなりしましたが、G君、沈することなく見事辿り着きました。今回は本当に助けられました。ありがとう〜。

 G君のおかげで何とか再び日の光を拝むことができました。
 まもなくハラキリ到着。ほとんど滝のように落ちてますが、この瀬の特異な点は、再び急角度で盛り上がり、V字型のような形状をしているところです。あのボイリーな盛り上がりを越えられるという気はまったく起きず、即ポーテージを決めました。

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 なんか、ダッキーで下れるレベルの限界値を越えている気がします。はたしてこの水量でここを下れる日は来るんでしょうか…? クリークボートをマスターするほうが実現の可能性は高いかもしれませんね…。



 ポーテージ中に見つけた水たまりには氷張ってました。そういや来る時、大月IC付近は霜降りてましたわ。

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 ハラキリ下から再出発。少し下って上流を振り返ってみましたが、流速が凄まじすぎて、漕ぎ上がりは無理ですね。前回下ったときは、ある程度近付くことができて、ラナに泳いで来てもらったんですが…。

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 しばらく川幅が広がってザラ瀬続きの川相となり、ようやく緊張の糸を緩めることができましたが、結構流速が強いので気を抜きすぎるとやられてしまいそうです。余水吐や笹子川を加えて、さらに流量を増した後、浅利川出合付近から再び川幅が狭まって渓谷相となりました。また日陰ゾーンです。私のおんぼろドライスーツは役割を完璧には果たせなくなってまして、さっき泳いだ時に若干浸水しており、日が陰ると震えがきます。



 ここらも核心部ほどではないにせよ、結構えげつないホールが点在してます。基本的に全部、避けましたが、例外的にロデオボーイだけは真っ向勝負を挑みました。
 勢いをつけて飛び込んだんですが、メインのバックウォッシュに当たった瞬間、180度回転させられました。



 ようやくラスト、高月橋の瀬です。ここもまっすぐ突っ込むと巨大ホールの餌食になるので本気で漕がないと撃沈させられます。沈して流されたら、戻ってこれないんじゃあなかろうかという流速の強さです。ちなみにあまり考えたくないんですが、もしホントに流されちゃったら、どうやって上陸したらええんやろ…。

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 後続のG君は指示する前に下ってしまい、ホールのど真ん中に突っ込んでましたが、無事出てきました。左岸から上陸。やっと、終わりました。二人とも心身共に疲れ切っていました。下り始めは、時間が余ったら2本下ろっか、なんて考えていたんですが、仮に時間が余っていても気力がもたないでしょう。

 それにしても、やっぱり、朝来たより水量増えてる気がします…。こんなに流速強くなかったし、中央はもっと岩が露出してたような。たぶん、気のせいかとは思うんですが…。最初に写真撮っておけばよかった。



 陸では川次郎が昼食中でした。家族の許に帰ることができてよかった〜。

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 見上げれば、清々しい青空が広がっていました。

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 今回は、自分の技量を越えたレベルの川というものを久々に体感しました。ホント怖かったし、チャレンジすらできなかったのが悔しくもありますが、もっともっと上手くなって真っ向勝負できるようになりたいという明確な目標を持つことができたのは大きな収穫だったと思います。

 昼食は、ハラキリのすぐ上流にある石釜ピッツァのレストラン“Pizzeria B”に初めて行きました。旨いけど、ちょっと高めで、おしゃれです。花鳥やG君と行くにはちょっと雰囲気違うな…。


ニックネーム ラナ父 at 01:00| Comment(4) | 甲信越>桂川(相模川) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ラナ父さんのチャレンジ精神に脱帽デス。
ダッキーでは「沈→脱→スイム」の公式から逃れられませんからね。
ロゥアが出たらご一緒させて下さい。
Posted by ソラ at 2010年12月09日 21:54
いやー、現在ラナは療養中やし、泳ぎたくなきゃカヤック乗ればいいじゃんって話なんですがね。
まったく乗れる気がしません(笑)。

こういう流速の強い川でも、リカバリがロールのように即確実にできる自信がつけば、また違ったアプローチができると思うんですが。リカバリの練習…。したくないなあ…(笑)。

フユバは桂川に通おうと思ってますので、いらっしゃられる時はぜひご一緒しましょう。フユバブロスの活動計画に入れといてください!


Posted by ラナ父 at 2010年12月11日 05:53
こんにちは

ラナちゃんの傷の回復は順調ですか?
一日も早くレポートに元気な姿を見せて欲しいです。

桂川‥。

年が明けたら、Y本さんが連れて行って下さるかもなのです。
猿橋〜清流センターの区間‥ラナ父さんのレポートも、再読させていただきました。
私も行ってみたいです。

最近2回ほどカヤックに乗る機会がありました。
ダッキーの楽しさ‥カヤックの楽しさ‥道具は多いに越したこと無いかなぁ?

‥でもロールを習得しないと、カヤックの脱は本当に疲れますね。

ダッキーのリエントリーの練習も頑張ります。

Posted by 翼 at 2010年12月12日 09:50
翼さん、こんばんは。

ラナの近況ですが、順調に快復してます。自分の肉球を引っ剥がしたときはどうなるんか心配でしたけど、どうやらちゃんと治りそうです。
近々写真つきでアップしますね。

猿橋〜清流センター区間の桂川は年末から水が増えるみたいですね。放水中の核心区間は、ちょっとタイプは違いますけど、パワーは大歩危クラスといっても過言ではないと思います。もしクリアできれば、目標に向かって大きく前進したことになりますよ。
頑張ってください!
ちなみにこの区間の後半部は谷が深くて日が当たらないので、晴天でもむちゃくちゃ寒いです。言わずもがなですが、防寒対策は万全を期されたほうがよいと思います。

最近はカヤックも乗られているんですね。ロールさえマスターすれば、たぶんカヤックのほうが断然面白いと感じるのではないかと思います。
仮にダッキーのほうが面白いのではという結論に至っても、ダッキーだけだとなかなか覚えにくいリーンとかエッジとか加重の感覚が身につきやすいと思うので、機会があればカヤックでも漕がれるというのは非常にいいことだと思います。
Posted by ラナ父 at 2010年12月14日 01:52